武士道 真陰

史上最強の無意識

陰という文字

「陰」という字の「今」は、壷などのフタを意味し、下の「云」は雲気を表します。
壷は自己の無意識部、そのフタの「今」は観念部、壷の中の雲気は無意識の構成となるのです。

室町末期、愛州移香は、宮崎の洞窟のほこらで剣の修行中、蜘蛛の影が動くのを見て、剣術の極意を得、影流を開祖しました。
やがて新影流となり、柳生新影流では活人剣となって、広く世に武道としての精神基底を広めます。

武士の世になり、無頼の輩ではなく、精神性を伴うものが、この国を造って来ました。
思想は精神基底にまでおよび、自己の心に不動の力を得ようとしたのです。
元々合戦では武勇を誇り恥をかかぬことが、サムライの魂です。
先人達は死をかけた不動心を得るための覚悟を欠かしませんでした。
やがて無意識のレベルを会得し、社会を司る精神基底が構築されます。

掣圏真陰流は先人の圧倒的な精神力を分析し、現代に実戦するものです。
無頼の剣ではなく、義の無意識が先人たちを構築し、世界へ誇れる精神文化が出来たのです。

戦闘者の無意識「陰」

普段の何気ない人との接し方から、大問題への対峙などでも自己にヒビかず、圧力を平然と受け流し、的確に攻めることが「強さ」で、対峙する圏の圧力を受けて、自我にヒビいてしまうことが「弱さ」なのです。
社会に通じる「普遍的強さ」を身につけるのが、武士道を基本とした掣圏真陰流の真の姿で、「強さ」「弱さ」は、情動が動く生理的状態を言います。

心は正しいものの道理という判断から、自己に観念が造られ、社会免疫を無意識に造り、精神基底となっていきます。
強さは無意識に構築された基底と観念「今」が、意識「圏」へ反応するのです。

情動がビクともしない不動心を生むのは、観念を含む無意識の構築です。
記憶や、感情や、情動も、心の流れは「陰」の構築にあり、安定という強い情動観念「今」を通るからです。
戦闘トランスも、禅も瞑想も気孔も、「今」という観念を、変性意識化(催眠化)し通るから、意識は変えられるのです。